平成29年一級建築士製図試験の合否ポイントは?<その5>

前回は平成29年一級建築士製図試験の合否ポイントは?<その4>で課題の概略と説明しました。今回が29年度試験解説の最後になります


記事のポイント

  1. 地下1階にはどんな室が必要?
  2. 1,2階の室の振り分けが簡単な方法は!
  3. 構造計画について
  4. 設備計画は結構やること多め!!

地下1階にはどんな室が必要?

電気室、機械室は地下の指定がありますが空調機械室は指定がありません。40m2は必要ですがなるべくなら地下に配置し、1,2階は他の要求室のために空けておいたほうが楽な計画になります。
浴室は露天風呂が要求されていますが、上階からの視線を考慮して庇又はピロティーなどが必要です。その際、床面積に算入するかどうかも同時に考えましょう。容積率オーバーなんてことがないように!
また屋外にリラクセーションスペースがあり浴室、トレーニングルームも地下1階でまとめて計画するのが正解でしょう。

1,2階の室の振り分けが簡単な方法は!

利用者の動線を考えると1階にレストラン、コンセプトルーム、ラウンジ、地域ブランドショップを配置しましょう。もちろん管理部門も1階がよいでしょう。

コンセプトルームは地域の情報発信の場であるのでなるべくエントランス近くがよいです。

レストランは客席部分は利用者がアクセスしやすく厨房は管理部門からアクセスしやすい位置としましょう。また食材やゴミの搬出入も考えなければならないので外部環境も合わせながらプランニングしてください。

客室は条件より全て眺望を考慮し2階になります。ただし納まらない場合は割り切って一部を1階にしましょう。その場合車いす利用者用の客室Bを1階にするのが妥当でしょう。

また2階は歩行距離を考えなくてはなりません。今回は歩行距離は50m、重複距離は25mです。もし足りなくなった場合は外部階段を設けましょう。そのときは床面積建築面積に算入されない大きさにしておいたほうが面積計算に間違いがありません。



構造計画について

敷地南側が軟弱であり、地下部分は土圧、水圧を考慮すると不同沈下を防ぐたてにも根入れは2.5m程度とし、べた基礎にしておけば問題ありません。


設備計画は結構やること多め!!

パッシブデザインが求められています。具体的には太陽光パネルや天窓による通風、太陽熱、地中熱、井水があげられます。積極的に描きいれてアピールしましょう。
空調は外気処理空調機+ファインコイルユニット方式という指定があるので空調室から各階へのDSを忘れずに描きいれましょう。


まとめ

以上が平成29年一級建築士製図試験の合否ポイントになります。条件としては例年通りでしたが、敷地段差の利用による地下1階の作図と車回しが大きいことがかなりプランに制約を与えたため苦労した受験生が多かったように思われます。
これからも一級建築士製図試験を解説していきますので、是非参考にしてください。



平成29年一級建築士製図試験の合否ポイントは?<その4>

前回は平成29年一級建築士製図試験の合否ポイントは?<その3>で課題の概略と説明しました。今回から具体的な課題の解き方について解説します。



記事のポイント

  1. 建物規模を間違えずに設定できたか?
  2. メインアプローチが一番の難関!
  3. 傾斜地に考慮って、どうすればいいの?
  4. その他の要点

建物規模を間違えずに設定できたか?

最初に立ちふさがる難関は建物規模をどうするか?です。
忘れずに考慮しなければいけないのが屋内利用のピロティが面積に算入されてしまうことです。
そのほか、客室の配置計画がかなり厄介であったと思います。全室眺望に配慮しなければならず、北側には配置できません。また間口が心々で4mなのでよく使われる7m×7m又は7m×6mグリットでうまく納まらず、場合によっては一部客室を1階に配置するなどの変形したプランにする必要があります。



メインアプローチが一番の難関!

車回しが12m円内接という条件から建物が綺麗な四角形で計画するのは難しくなります。また歩行者通路も設けなければならないので最低でも北側に14~16mの空きが必要になります。
車回しから西側駐車場へアプローチしなければならないことと、北側道路であることから車寄せは西側辺りになります。そうなるとメインアプローチは東側又は西側になるでしょう。


傾斜地に考慮って、どうすればいいの?

高低差を利用した、地下1階を作らなければなりません。
また南側が軟弱地盤なので地下は南側に計画するのが正解でしょう。軟弱地盤の範囲から3スパンくらいが地下1階範囲になります。

その他の要点

計画に当たっての留意事項にパッシブデザインの要求があります。自然採光や通風が求められいるので吹き抜けや天窓など組み合わせて採点者にアピールしましょう。
また、「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律に規定する特別特定建築物に該当し、建築物移動等円滑化基準を満たすものとする。」とあることからとくに客室Bは引き戸を使い、便所も車いす用の大きさを確保しましょう。



まとめ

今回の課題の最大の難所は車回しと建物規模の設定であると思われます。最初のうちにこれらのアプローチ関係を固めておかないと後々面倒なことになるので、動線も含めて間違いのないようにしておきましょう

今日は以上です。次回「平成29年一級建築士製図試験の合否ポイントは?<その5>」でも具体的な課題の解き方について解説します。